今現在、いわゆるケータイ電話でスマホ以外の端末を使っている方、どのくらいいらっしゃいますか?
スマホ以外の、いわゆる昔からの「ガラケー」と呼ばれる端末を使っている方は、通話専用、ネット専用と使い分ける二台持ちの人か、あるいはよほどのこだわりがある方に限られているのではないでしょうか。
そこで、これからスマホに乗り換えるという方、または、すでにスマホを使っているけれど、機種変更を行う際にどんなスマホを選んだらいいか悩んでいる方のために、選び方のポイントを紹介していきます。
スマホの選び方の基礎知識/iPhoneとAndroidの違い
(左:iPhone 右:Android)
ひとことで「スマホ」といっても、いろんな種類がありますが、大きく分けると「iPhone(アイフォン)」と「Android(アンドロイド)」の2つに分類されます。
ごくまれに「iPhoneにする?それともスマホにする?」というように、iPhone以外を「スマホ」と呼んでいる方もいますが、厳密に言えばiPhoneもスマホの一つの種類です。
そのため、今回はスマホを「iPhone」と「Android」の2つに分けて考えていきます。
では、このiPhoneとAndroid、いったい何がどう違うのでしょうか?
iPhoneとAndroidのどちらが「使いやすい」のか?
スマホの選び方を考えるうえで、ユーザーの意見として多いのが、「iPhoneの方が使いやすい!」「Androidの方が使いやすい!」など、どちらが使いやすいかというものです。
ただ、どちらも同じくらい使っている僕としては、使いやすいか使いにくいかというのは、ただの「慣れ」の問題だと思います。
もちろんそれぞれ特徴があり、良いところ、よくないところがあるのは事実ですが、基本的な操作方法はほぼ同じです。
液晶画面をタッチして操作する、アプリを切り替えて利用するという意味では、両者に大きな違いはありません。
使い方を端末に合わせて慣れるiPhone
といっても、iPhoneとAndroidの両者にはある程度の癖があるのも事実です。
続いて、その差について説明していきましょう。
まず決定的に違うのが、当たり前ではありますが「iPhoneを選ぶと、iPhoneしか選べない」という点です。
2018年秋に登場したニューモデルでは、実質3モデルが用意されていますが、このモデルのラインナップは、「液晶のサイズと種類=端末のサイズ」が違うだけで、中身はほぼ同じです。
つまり、iPhoneが欲しいと思った時に選べるのは、極論で言えば大きさだけなのです。
iPhoneが使っているOSは「iOS(アイオーエス)」と呼ばれるもので、これは全iPhoneで共通しています。古いモデル以外、つまりここ3~4年以内に購入した端末であれば、全てが同じ最新のOSにアップデートして利用できます。
CPUなどの性能は年々上がっていますので、古いモデルだとやや操作がもっさりしてしまいますが、最新モデルから少し古いモデルまでがほぼ同じ機能が利用できるのです。
これこそがiPhoneの特徴と言えます。
iPhoneはすべてのモデルの操作感が統一されていて、カスタマイズできることも限られています。
OSがバージョンアップするたびに機能や操作方法が若干変わることもありますが、基本的な部分はあまり大きく変化しません。
ですから、iPhoneはその操作感に慣れてしまえば、端末を買い替えたりOSがアップデートしても、違和感を感じることなく使い続けることができるのです。
この、「使い方が変わらない」というのが、iPhoneの一番大きな特徴です。
自分の使い方に合わせて端末を選べるAndroid
一方のAndroidは「OS」の名前であり、端末の種類ではありません。
そのため様々な種類の端末から、自分好みのデザインや機能、ハードスペック、そして端末の価格から選べるのがAndroidの特徴です。
iPhoneが、iPhoneに自分の使い方を合わせるのとは対照的に、「自分の使い方はこれ!」とはっきりしているのであれば、その使い方に合わせて端末を選べるのがAndroidなのです。
たとえばAndroidの端末の中には、自撮りをするためのインカメ(液晶側のカメラ)の性能が、外側のカメラと同じスペックのものがあります。ある意味「自撮り特化」のモデルと言えるでしょう。
カメラ機能特化のAndroid端末は他にもまだたくさんあり、たとえばレンズが3つついたモデル(iPhoneは2つ)なんてものまでラインナップされています。
ただし、通常の使い方であればiPhoneのカメラ性能はかなり高いレベルにありますから、カメラ性能は実際に撮り比べてみると良いでしょう。
そのほかにも、ハイレゾ音源を再生できる音楽特化の端末や、大画面の端末など、ユーザーが使いたいニーズに合わせて性能を尖らせたモデルが見つかるのがAndroidの特徴です。
iPhoneとAndroidのどちらを選ぶか?使い方に合わせたチェックポイント
ということで、iPhoneとAndroidの違いの概要を説明してきましたが、実際に端末を決めるとき、何をチェックしたら良いのでしょうか。
ここからはより具体的に、スマホの選び方を考えるうえで注意したいポイントを説明していきます。
パソコンでMacを使うならiPhoneが便利!ケースの種類も豊富
まず、「iPhoneを利用したほうが良い理由」の中でも一番重要なのが、今使っているパソコンの機種です。
パソコンは現在WindowsとMacが人気を二分していますが、MacとiPhoneは同じアップル社の製品です。
そのため、Macユーザーであれば必須と言っても良いレベルでiPhoneをお勧めします。
「Apple ID」というアップルの各種サービスを利用するアカウントが共有できたり、「iCoud」と呼ばれるクラウドサービスで写真やファイルを共有できる機能、そしてファイルを無線で転送できる「Airdrop」は、残念ながら標準のAndroidでは利用できません。
もう一つ、意外な視点かもしれませんが「スマホケース」の種類が圧倒的に多いのがiPhoneです。お気に入りのケースを見つけるのは、iPhoneのほうがはるかに楽です。
冒頭でお話しした通り、使い勝手という点ではAndroidとの違いはほとんどありません。
ですから実はiPhoneは、
「友達と同じ機種がいい!」
「普通に使える機種がいい!」
「お気に入りのケースを使いたい!」
といった、比較的緩い理由で選ばれているのではないでしょうか。
ただし、端末の価格はAndroidと比較すると、やや割高なことは知っておくと良いでしょう。
安さを求めるならAndroid、細かなこだわりセットアップも!
標準的に使いやすいスマホを選ぶのならiPhoneと書きましたが、ではAndroidはどんな人に向いているのでしょうか。
一つは、端末の価格をできるだけ安くしたい場合です。
iPhoneは一番安い端末でも8万円程度。最も高いモデルだと驚くべきことに20万円近くします。
一方Android端末なら、1万円代(場合によっては数千円)の端末が販売されています。
もちろん低価格の端末はスペックが低く、写真が綺麗に撮れなかったり、ウェブ表示が遅かったり、スペックが足りずに動作しないアプリがあったりします。
それでも、メールやLINE、ウェブ閲覧だけでいいというのであれば、低価格端末でも十分という場合がほとんどです。
そのほかにもAndroidならではの特徴は幾つかあるのですが、ホーム画面のカスタマイズなどの自由度がiPhoneと比べて高いというのも選択ポイントになります。
ある程度マニアックに設定やホーム画面などをカスタマイズして、自分にあった使い方ができるのもAndroidを選択する理由になるでしょう。
一度に複数のアプリを起動できるのも、Androidならではの特徴です。
たとえば、「GoogleMapでナビゲーション機能を使いながらポケモンGOをプレイする」という使い方は、iPhoneではできないAndroidならではのスタイルです。
まずは自分のスタイルをチェックしてみよう
以上、スマホの選び方のポイントをいくつか紹介しましたが、いかがでしたか。
もしある程度予算があり、一定以上の性能や使いやすさを求めるのであれば、iPhoneを選択するのが無難かもしれません。価格については、キャリアの割引を使えば有利に購入できるケースもありますから、MNP(電話番号そのままでキャリアを移行する)などの制度をチェックしても良いでしょう。
カメラ性能や、オーディオ、その他尖った独自スペックや、複数アプリを同時に起動したり、ホーム画面や設定を自分ならではのスタイルにカスタマイズしたいのであれば、Androidがオススメです。
まずは、自分がスマホに何を求めるか、どんなスタイルでスマホを使いたいのかをよく検討して、ライフスタイルにピッタリなものを選んでみてください。
執筆・監修

- 「はじめてのLINE入門」「はじめてのEvernote入門」などの解説本をはじめ20冊以上の書籍やムック本を執筆。オウンドメディア、ソーシャルメディア、スマホ、Apple製品の専門家。