クレンジングの選び方を間違うと、どんなに値段が高いスキンケア製品を使ったとしても、憧れの美肌を手に入れることはできません。
実際、美容皮膚科の先生たちも、「間違ったクレンジングが肌トラブルを悪化させる」ということを本や雑誌で発言されています。
とはいえ、いざ自分にあったクレンジング剤を選ぼうと思っても、いろんなメーカーや商品がありすぎて、どれを選んだらいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クレンジングを選ぶために必要な基礎知識として、クレンジング剤の特徴や、それを踏まえたうえでの上手な選び方のコツなどを紹介いたします。
クレンジングの選び方の基礎知識
そもそも、クレンジングは水やお湯で洗っても落ちないメイクを落とす目的で使います。(クレンジングのことをメイク落としというのは、そのためですね)
「メイクを落とさずそのまま寝てしまうとお肌に悪い」というのは女性なら誰でも聞いたことがあると思いますが、実際、メイク汚れが肌に残ったままにしておくと、ニキビや肌荒れ、シミ、くすみ、毛穴の詰まりなど様々な肌トラブルの原因となってしまいます。
美肌の基本は、まずはメイクをしっかり落とすこと。
そのためにもクレンジングについての理解を深めていきましょう。
クレンジングの成分(何でできているのか?)
たとえば、ファンデーションを水洗いだけで落とそうと思っても、なかなか落ちないのは、ファンデーションに油分が含まれているからです。
水と油は、はじきあう性質があるので、食器の油汚れと同じように、メイクも水だけではなかなか落ちません。
そのため、クレンジング剤には「油性成分(油分)」と「界面活性剤」が含まれていて、それらの成分がメイクの油汚れを浮かせて洗い流せるようにしてくれるのです。
「界面活性剤」というと、お肌に悪いイメージしかありませんが、メイクの油汚れを落とすためには、油と水をなじませないと洗い流すことができなくなるので、どうしても必要となります。
もちろん、界面活性剤があまり含まれていないクレンジング剤のほうが肌にはやさしいのですが、そのぶん洗い流す力がなくなるので、なかなかメイクが落ちずに肌をこすってダメージを与えてしまうことになりがちですし、界面活性剤が含まれていないせいで油汚れが水をはじいて馴染まないので、肌にメイク汚れが残ってしまう恐れもあります。
とはいえ、界面活性剤が多く含まれるクレンジング剤は、油汚れを洗い流す力が強いぶん、肌のうるおいを保つために必要な「皮脂」まで洗い流してしまうので、そのせいで乾燥肌を引き起こしバリア機能を低下させてしまう原因をつくってしまう恐れがあります。
このように、クレンジングで肌に与える恐れがあるダメージには
1:摩擦によるダメージ
2:クレンジングの洗浄成分(界面活性剤や油分)によるダメージ
大きく分けて2種類ありますので、これらのダメージを最小限に抑えるようにクレンジング選びを行う必要があります。
まずは、こすらなくてもメイクを落とせるものを選ぶ、そのうえで、肌にやさしいもの(皮脂を落としすぎないもの)を選ぶということを覚えておきましょう。
クレンジングの種類
クレンジング剤には、メイクを落とすための「油分」と「界面活性剤」が成分として含まれることを先ほど説明しましたが、その中でも油分が多く含まれるものはオイルタイプ、乳液状のものはミルクタイプ、コットンなどに含ませて使うリキッドタイプ(ローションタイプ)というように、その成分や形状によって種類が分かれます。
ここでは、クレンジングの種類と特徴について見ていきましょう。
オイルタイプ
油分も界面活性剤も多く含みますが、そのぶんメイクを落とす力が強いのがオイルタイプの特徴です。濃いメイクでも素早く落とせるのがメリットですが、どうしても肌への負担は大きくなるので、乾燥肌や敏感肌の方向きではありません。また、肌への負担を減らすために、しっかりメイクをした日だけ使っている人もいます。
クリームタイプ
適度なバランスで油分と界面活性剤を含んでいるのでメイクの落ちも良く、比較的肌への負担も少ないのがクリームタイプの特徴です。ただし、メイクの油分と溶け合うまでに多少時間がかかるので、そこを嫌う方もいます。
バームタイプ
最近、ちょっとしたブームになっているのがバームタイプのクレンジングです。形状はクリームより固いのですが温めるとオイルのように変化するのが特徴です。界面活性剤も少なめなのと保湿力の高さが乾燥肌の方を中心に人気を集めていますが、クリームタイプ同様、メイクを落とすのに若干時間がかかるのが難点です。
ジェルタイプ
ジェルタイプのクレンジングには水溶性のものと油性のものと2種類あり、メイクを落とす力は油性のものが強めです。洗い流したあとのさっぱり感を好む人もいます。形状がジェルなので肌への摩擦も少ないのが特徴です。
リキッドタイプ(ローションタイプ)
コットンなどに含ませて使う液状のクレンジングをリキッドタイプ(もしくはローションタイプ)といいます。コットンで拭き取る作業が肌への摩擦となるので、そこは注意する必要があります。
ミルクタイプ
オイルタイプのものと比べるとメイクを落とす力は弱くはなりますが、そのぶん肌への刺激が少ないので乾燥肌や敏感肌の方向きです。水分量が多いので保湿を重視している人にも適しています。
クレンジングの選び方のコツ
これまではクレンジングを選ぶうえでの基礎知識を話してきましたが、ここからは、それを踏まえたうえで上手にクレンジングを選ぶコツを紹介いたします。
メイクの濃さによってクレンジングを選ぶ
先ほどのクレンジングの種類の説明でもわかるように、クレンジングは種類によってメイクの落ちやすさが変わってきます。
一般的には、油分の多いオイルタイプやリキッドタイプのクレンジングが洗浄力が高いといわれてますので、濃い目のメイクの場合は、これらのタイプのクレンジングを選ぶとメイク汚れの洗い残しや肌への摩擦も防ぐことができます。
ただ、オイルタイプやリキッドタイプのクレンジングの多くは、界面活性剤も多く含まれているので、肌への負担も大きい傾向にあります。
そのため、濃いメイクの日はオイルタイプのクレンジング、そうでない日はクリームやバームというようにTPOによってクレンジングを使い分けている人もいます。
また、濃いメイクにあわせて選んだクレンジング剤で顔全体をクレンジングするのではなく、パーツごとに使い分ける方法もあります。
たとえば、ウォータープルーフのマスカラなどに代表される、落ちにくい目元、口もとのポイントメイクは専用のリムーバーで先に落としておくと、そのぶん顔全体の肌への負担は減らすことができます。
なお、日常的に使うクレンジングとしては、油分と界面活性剤が適度なバランスで含まれていて、メイクの落ちも良く、比較的肌への負担も少ないクリームタイプやバームタイプがおすすめです。
肌質によってクレンジングを選ぶ
肌質には大きく分けて、乾燥肌、脂性肌、普通肌、混合肌、敏感肌という種類がありますが、たとえば乾燥肌や混合肌の方がオイルタイプのクレンジングを使うと、配合されている油分や界面活性剤によって保湿に必要な皮脂や水分まで洗い流してしまう恐れがあります。
乾燥肌や混合肌に悩んでいる人は、「洗いすぎ」や「落としすぎ」によってトラブルを起こしている可能性が大きいと考えられているので、オイルタイプで問題があるならクリームタイプやバームタイプ、それでもダメならミルクタイプというように、メイクを落とすときの負担が軽いものにシフトしていくのがひとつの方法です。
適量をじゅうぶんに使い続けられる価格のものを選ぶ
いくら値段が高いクレンジングを買ったとしても、使う量をケチってしまうと、肌をこすってしまい負担をかけることになりかねません。
クレンジングの適量については、購入したクレンジング剤のパッケージなどに記載されているので、ケチることなく適量をきちんと使うことが大事です。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回は、クレンジングの選び方の基礎知識、そして、それを踏まえたうえでの上手な選び方のコツなどをお伝えいたしました。
少しでもお役に立てたようであれば嬉しい限りです。
ご精読ありがとうございました(^^)
執筆・監修

- 若い頃(今も若いつもりだが)大手化粧品メーカーで美容部員として勤務。その後エステティシャンに転身。現在は約20年(年がばれるので約20年)美容業界で働いた経験を活かして美容ライターとして記事執筆中。
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